機械学習やデータサイエンスの勉強を始めてから2年ほど経過しました。
その結果、新卒で事業会社のAIエンジニア・データサイエンティストとして内定をいただくことができ、現在に至ります。
上記経験により知見が溜まってきたので、「自分が未経験で何もない状態から新卒でデータサイエンティストになるにはどうするか?」というロードマップをまとめようと思います。
ここに来るまで多くの回り道をしてきたので、本記事を読むどなたかの参考になれば幸いです。
- 国立理系修士2年(23歳 | 専攻は機械学習)
- SEOマーケティング会社で実務を1年ほど経験
- ブログ運営3年目(月間10,000PVほど)
- 2025年4月からIT事業会社のデータサイエンティストとして働く予定で、現在はBigQueryを活用したGA4やGSCのデータ分析に注力
“注意書き”
人工知能ブームなどにより「データサイエンティストになりたい!」という人が増えているかもですが、本記事に書いてあることを実践しようとするとシンプルに骨が折れますし、データサイエンティストになっても幸せになるとは限りません。そういったのも込みで記事を読み進めることをおすすめします。
未経験で新卒データサイエンティストを目指すのは難しい?
「未経験から新卒でデータサイエンティストになるのは難しそう」と考える方が多いと思うので、ロードマップを紹介する前に、自身の見解をまとめていきます。
誰もが最初は未経験だから、特に気にしなくて良い
理工学系を専攻する人でも、「データサイエンスという分野に触れるのは大学生になってからが初めて」という人が大多数です。
そのため大学1年生の段階では、文系だろうが未経験だろうが大して差はありません。
というか誰もが最初は未経験なので、「未経験だから、、」みたいな理由で可能性を狭めるのはもったいないかなと思います。
もちろんバックグラウンドによって有利・不利はある
データサイエンス学部をはじめとする理工学系の大学生は、微分, 積分, 線形代数, 統計学, プログラミングなどを授業で扱っており、シンプルにそういった学生は有利です。
修士2年で学部1年向けにTA(ティーチング・アシスタント)をした経験があるのですが、4月の段階でPythonを使った画像処理の課題をしてましたからね。
とはいえ多くの学生は課題が終われば何でもよいと考えるので、自分で調べようとせず、答えを教えてくれというマインドです。(地方の大学だからですかね笑)
そういったわけで、バックグラウンドによって多少の差はあるかもですが、主体的に努力できればいくらでも引っくり返すことができると考えています。新卒でデータサイエンティストを目指す方は頑張りましょう。
未経験から新卒でデータサイエンティストを目指すロードマップ
いよいよここから、新卒でデータサイエンティストを目指すロードマップをまとめていきます。
- なぜデータサイエンティストを目指したいかを整理する
- Pythonの基礎を習得する
- データサイエンスの基礎を習得する
- Kaggleコンペに挑戦する
- 長期インターンに参加する
- 新卒の就職活動を頑張る
②〜⑥は逆算的に考えており、その見解も踏まえつつ解説していきます。
①:なぜデータサイエンティストを目指したいかを整理する
データサイエンティストという職業は人気が上がってきています。
しかし、記事冒頭の「注意書き」でも述べましたが、ただ単に流行りに乗りたいからという理由で目指そうとするのは軽く考えすぎだと思います。
もしかすると、データサイエンティストよりも目指したい職業が見えてくるかもですし、本当はデータサイエンスなんか興味なかったみたいなことがあるかもしれません。
そのため、このフェーズは飛ばされがちなのですが、「なぜデータサイエンティストを目指したいか」をちゃんと整理することはめちゃ重要になってきます。
ここを整理するために、以下の書籍は読んでおきましょう。100ページほどなので数分で読めますし、データサイエンティストのリアルを知ることができます。(Kindle Unlimitedを登録するのが初めての方は30日間無料で読むことができます。)
②:Pythonの基礎を習得する
なぜデータサイエンティストになりたいかを整理できたら、実際に目指すためのスキルを習得していきましょう。
そこで、まず最初は “Python” というプログラミング言語を習得するのがおすすめです。理由は次のステップである「データサイエンスの基礎を習得する」ために、Pythonの基礎があるとスムーズに事が進むからです。
現代はプログラミングをYouTubeで無料で学べるので、とても良い時代ですね。上記YouTubeチャンネルの好みを一つを選んで、1ヶ月ほど重点的に取り組んでみましょう。
なお、ChatGPTなどといった生成AIも活用しつつPythonを勉強してみてください。エラーが出たり、理解に苦しむ部分が出てきたら味方になってくれるはずです。
③:データサイエンスの基礎を習得する
次に、後述するKaggleやインターンで実績を残すために、データサイエンスの基礎を習得していきましょう。
データサイエンスの基礎は以下のような項目が挙げられます。
- データ関連ライブラリ(Numpy, Pandas, Matplotlibなど)
- 統計学(統計検定2級レベル)
- 機械学習
- SQL
上記に挙げた項目を体系立てて習得するために、スタアカという月額1,280円でAI・データサイエンスが学べるプラットフォームを活用するのがおすすめです。
ちょっと高いランチ代くらいの値段で網羅的にスキルを習得できるのはマジでお得です。1〜2ヶ月ほどかけて、じっくりとデータサイエンスの基礎を身につけていきましょう。
» スタアカ公式サイトからデータサイエンスの基礎を身につける
④:Kaggleコンペに挑戦する
Pythonやデータサイエンスの基礎を身につけたらKaggleのコンペに参加して、次のステップで紹介する長期インターンとして企業に採用してもらうための実績を残していきましょう。
そもそもの “Kaggle” について簡単に説明すると、データサイエンスや機械学習に特化したプラットフォームでして、分析のコンペティションが定期的に開かれています。
このコンペティションに即したプログラムや客観的成果をアピールできるようにすることで、自身のスキルや実績を証明しやすくなります。(Kaggleを知らないデータサイエンティストはいないくらい有名なプラットフォームなので。)
このロードマップに沿ってスキル習得した方は、スタアカでKaggleに入門できているはずなので、新しくコンペティションに挑戦していきましょう。その際には、Notebook形式で分析を進めていくと思うのですが、「企業の人に見られる」という意識でわかりやすいコードを書くと良いです。
また、Kaggleに挑戦する人で読んでいない人はいないくらい下記の本は有名なので、分析のお供に購入しておきましょう。
⑤:長期インターンに参加する
Kaggleのコンペティションで成果を残す事ができたら、長期インターンに参加して実務を経験できる環境に飛び込んでいきましょう。
ここで、新卒の就職活動で問われる「学生時代に頑張った経験」や「自己PR」、「チームで取り組んだ経験」のエピソード作りを行なっていきます。
企業も即戦力を求めるので、データサイエンス系の実務を経験した学生を欲しがるんですよね。長期インターンとして企業に採用されたら、就職活動はだいぶ有利に進める事ができます。
また、シンプルにお金をもらえつつ、スキルアップすることができます。一石三鳥です。
- Smartthon(スマートソン):自分のやりたいを起点にインターン先を探すことができる
- Wantedly:ITスタートアップでのインターンに興味があるならおすすめ
- Infraインターン:長期インターンに特化した求人サイト
上記は長期インターン先の企業を探せるサイトでして、いくつか登録しておくとOKです。
また、「データサイエンティスト 長期インターン」などで調べると募集している企業はいくらでもあるので、どこかしら採用してもらえるまで応募していきましょう。
⑥:新卒の就職活動を頑張る
最後に、Kaggleと長期インターンで培ったスキルや成果を引っ提げて、新卒の就職活動を頑張りましょう。
正直ここまで来れば無双状態ですが、新卒の就職活動では以下のことをやっていくのが一般的です。
- 方向性の決定(業界など)
- コーディングテスト対策(Web系・外資系のみ)
- ES対策
- 面接対策
自分がどうなりたいかの方向性の決定はめちゃ大事ですし、今まで経験してきたことをわかりやすく伝えるためのES対策・面接対策も重要になってきます。
以下の記事で、自身の経験をもとに新卒の就職活動でやってよかったことを体系的にまとめています。効率的に就職活動を進めていくために、あわせて読んでおきましょう。
新卒でデータサイエンティストを目指す上でよくある質問
新卒でデータサイエンティストを目指す上でよくある質問をまとめて、本記事を終了したいと思います。
ここで紹介する内容以外に質問があれば、お気軽に「お問い合わせ」よりご連絡ください。
期間はどれくらいかかる?
本記事で紹介したロードマップを実践しようとすると、下記のようなスケジュールになるかと思います。
- なぜデータサイエンティストを目指したいかを整理する:1〜2週間
- Pythonの基礎を習得する:1ヶ月
- データサイエンスの基礎を習得する:1〜2ヶ月
- Kaggleコンペに挑戦する:3〜6ヶ月
- 長期インターンに参加する:3〜6ヶ月
- 新卒の就職活動を頑張る:3〜6ヶ月
全部で1年〜1年半ほどかかる見込みです。
とはいえ、「Kaggleを頑張りつつ長期インターンに応募する」や「長期インターンを頑張りつつ新卒の就職活動を行う」みたいな動きをするのが一般的なので、頑張ればもう少し期間を短くできるかもです。
効率的にデータサイエンススキルを習得するには?
メンターなどをつけて誰かしらに相談できる環境を作ると早いです。
一人でスキルアップを進めようとすると、どうしてもわからない部分でつまづいたり、気づかないうちに回り道をしてしまったりと非効率的です。(僕も相当回り道してしまいました、、)
先を行く人にアドバイスをもらえるような環境を作ることで、方向性を見失うことなく効率的にスキルアップすることができます。
問題はどこでメンターを見つけるかですが、「ココナラ」や「MENTA」というプラットフォーム活用してみてください。現役のデータサイエンティストへ個別に相談できるプランが見つかるはずです。
また、ここまでで紹介してきた「スタアカ」にも個別で相談できるプランがあります。LINEから30分の無料相談メンタリングを予約できるみたいなので、ぜひ活用してみましょう。
大学院には行った方が良い?
大学院に行った方がデータサイエンティストになれる可能性は上がりますし、時間もたっぷり取れます。
いつデータサイエンティストを目指し始めたかにもよりますが、学部3年の終わりからだと物理的にロードマップをこなすのは無理なので、修士への進学も視野に入れて良いかと思います。
とはいえ大学院に進学するための試験は4年の夏とかで就職活動の期間とは被らないはずので、一旦は就活にチャレンジしてみるのもアリです。学部卒で良い企業に就職できるに越したことはないですからね。
就活が無理そうで、どうしてもデータサイエンティストになりたい場合は、大学院へ進学しましょう。実際、新卒データサイエンティストになる人の体感8割くらいは修士 or 博士出身なので、進学する方が大多数です。
まとめ:未経験でも新卒データサイエンティストは目指せる!
本記事では、未経験からでも「新卒でデータサイエンティストを目指すためのロードマップ」について解説しました。
ここまでで紹介したロードマップをリンク付きで下記にまとめますね。
誰もが最初は未経験でして、最初からデータサイエンティストになるのを諦めるのはもったいないです。
多少のバックグラウンドの差はあれど環境の差などいくらでもひっくり返せるので、まずは何故データサイエンティストを目指したいかを「Kindle Unlimited」の本から整理していきましょう。
それでは本記事は以上とします。最後まで読んでいただきありがとうございました。